このところの急激な円高や株安を受けて、日銀は30日、追加の金融緩和策を決定しました。また、政府も雇用や企業の設備投資の支援などを柱とした経済対策の基本方針を発表しています。
30日朝、日銀で開かれた臨時の政策決定会合。そこで決められたのは、急激な円高や株安に対する追加の金融緩和策です。
0.1%という低い金利で日銀が金融機関に貸し出している資金について、これまでの期間3か月で20兆円を貸し出す供給策に加えて、新たに期間6か月で10兆円程度の資金を貸し出す策を打ち出しました。
資金の供給を拡大することで金利の更なる低下を促し、円高を抑制したり、企業の資金需要を刺激するのが狙いです。
「景気の下ぶれリスクに対応して、先取り前倒しして、追加の緩和を行った」(日銀 白川方明 総裁)
日銀の臨時会合は、白川総裁がアメリカから帰国する日程を1日早めて急きょ開かれました。30日、経済対策の基本方針を取りまとめる政府と歩調を合わせるために、来月初めに予定された定例会合より前倒しした形です。
「実行したということ自体は評価できるのではないか」(新日本製鐵 三村明夫 会長)
「今回の金融緩和が円高に歯止めがかかると期待している」(日本経団連 米倉弘昌 会長)
ただ、日銀の発表を受けて、市場には「今回の緩和策が予想された範囲の内容で、効果も不透明だ」という見方が広がり、朝方は大きく売られていた円が買い戻されたほか、一時300円近く値上がりした平均株価も、伸び悩んで取引を終えました。
「企業や人々は先行き不安なので、なるべくお金を使わないようにしようと。政府が発表する景気対策がきちっと実行に移され、効果をもてば、多少なりとも生活にプラスになる」(第一生命 経済研究所 嶌峰義清氏)
(30日17:42)