東京都などは5日午前、JR池袋駅(豊島区)周辺で首都直下地震に備えた大規模な帰宅困難者訓練を実施し、都や豊島区の職員、民間企業の従業員ら計約7千人が参加した。
訓練は東京湾北部でマグニチュード(M)7.3の地震が発生し、鉄道の運行が停止したと想定。区職員らが一時滞在施設の開設状況などを案内し、近くのホテルでは従業員らが備蓄品の飲料水などを配った。足の不自由な高齢者らを都バスでさいたま市のホテルに搬送する訓練も行われた。
参加した会社員、田渕敏浩さん(48)は「東日本大震災では丸2日間、家に帰れず苦労した。訓練を機にいざという時の備えを徹底したい」と気を引き締めていた。
介護福祉士の高橋三雪さん(51)は「勤務する高齢者施設が一時滞在施設に選ばれた。地域の高齢者らが安心して避難できる場所になるよう準備したい」と話した。
2011年3月の東日本大震災では都内で約352万人の帰宅困難者が出た。都は12年以降、定期的に帰宅困難者訓練を行っている。