北海道電力は9日、1月末時点での今冬の電力需給状況を発表した。2014年12月から15年1月にかけての平日のピーク電力は、気温の影響を除くと前年同期に比べ6万キロワット(1%)減った。供給余力を示す供給予備率は最も低い日でも16.5%と、安定供給に最低限必要な3%を大きく上回った。
12年度、13年度と道内では冬の節電期間(12月~翌年3月)に数値目標を設けたが、14年度は数値目標のない節電となった。蓄電池の機能を持つ揚水式の京極発電所(出力20万キロワット)が14年10月に稼働し、発電能力に余裕が生じたためだ。節電期間の中間時点として、状況をまとめた。
需要をみると、今冬のピーク電力は14年12月16日の534万キロワットと、前年度を6万キロワット下回った。気温の影響を除くと、電力の需要が最も大きかった10年度と比べ14年度は7%ほど減った。13年度比では1%の減少で、勢いは鈍っているが着実に節電が進んでいる。
使った電気の全体量である販売電力量でみると、13年度比でやはり1%程度減った。家庭用やオフィスビル・商業施設などの業務用は13年度より利用が減ったが、工場などの産業用は利用が増えた。北電は「節電の取り組みは変わらないが、生産活動が活発になったためだろう」とみている。
一方で供給余力が70万キロワット(北電の最大の火力発電所である苫東厚真火発4号機の出力に相当)に達しない日はゼロだった。13年度は同4号機が故障したこともあり、供給余力が70万キロワット以下の日は30日に及んだ。
これまでより供給に余裕が生じているが、老朽化した火力発電の故障が前年同期より28%多い73件生じた。北電は火発の故障が重なると需給が逼迫する恐れがあるとして、引き続き節電を求めている。