【イスタンブール=中村亮】麻生太郎財務相は9日(日本時間10日未明)に開幕した20カ国・地域(G20)財務相・中央銀行総裁会議の初日の討議で、2020年度までに基礎収支の黒字化を目指す方針を示した。黒字化に向けた財政計画を今年の夏までにつくるとも述べた。
G20財務相・中央銀行総裁会議の初日の討議終了後、記者団の質問に答える麻生財務相(9日、イスタンブール)=共同
財務相が討議後、記者団に明らかにした。安倍政権が昨年11月に消費税率10%への引き上げ延期を決めてから初めてのG20財務相・中銀総裁会議で「中期的な財政健全化路線を堅持している」と強調した。日本経済は「ゆるやかな回復基調に変わりはない」と説明した。
イスラム過激派によるテロ事件を受けて、麻生氏はテロ資金対策の強化も訴えた。最近のテロ行為を「断固非難する」としたうえで、各国のテロ資金対策を評価する「金融活動作業部会(FATF)」が中心となり対策を強化する必要があるとした。ただ、具体的な強化策には触れなかった。
麻生氏はG20の討議が始まる前に議長国トルコのババジャン副首相、フランスのサパン財政相とそれぞれ会談した。