内閣府が9日発表した1月の景気ウオッチャー調査によると、南関東(1都3県)の現状判断指数(DI)は前月比0.3ポイント上昇の45.8だった。横ばいながら2カ月連続で改善した。春の行楽シーズンや新生活の商戦を控え、先行きに期待感が高まっている。全国のDIは0.4ポイント上昇の45.6だった。
調査は1月下旬、小売店員やタクシー運転手ら景気に敏感な職種の「景気ウオッチャー」を対象に実施し、295人から回答を得た。「良くなっている」(100)から「悪化している」(0)の5段階で回答を求め、平均値を指数として算出している。
足元の景気実感については「福袋や催事で大きく売り上げをとっても常備品のマイナスで最終的にはプラスマイナスゼロに落ち着く」(百貨店副店長)といった消費者の購買行動のバラツキを指摘する声が多い。内閣府の調査担当者も「良い状況と悪い状況が綱引きし数字が動かなくなっている」と分析する。
一方で先行きには前向きな声が多く、2~3カ月先を示す先行き判断DIは3.5ポイント上昇の50.8。節目の50を4カ月ぶりに上回った。「団体旅行の見積件数、問い合わせの電話が増えている」(旅行会社従業員)、「新入学、就職組の来店の活発化が予想される」(衣料品専門店統括)といったコメントがあった。