日銀が10日発表した1月のマネーストック(通貨供給量)速報によると、代表的な指標のひとつである「M3(現金、銀行などの預金)」の月中平均残高は前年同月比2.8%増の1211兆1000億円だった。前月(同2.9%増)からプラス幅がやや縮まった。
「M3」の伸び率が縮小したのは、現金通貨や預金通貨などで構成される「M1」の伸び率が縮んだことが大きい。「M1」のうち、「預金通貨」は同4.6%増と、2014年10月以来の伸び率の低さとなった。企業間の決済や賞与向け貸し出しの返済が進み、企業預金の伸び率が鈍化した。
M3からゆうちょ銀行などを除いた「M2」は同3.4%増と、前月(同3.6%増)から伸び率が縮小した。M3に国債や投資信託などを加えた「広義流動性」は同3.4%増(前月は同3.5%増)だった。