沖縄県は9日、2015年度当初予算案を発表した。一般会計は14年度当初予算に比べ3.1%増の7465億円で、7年連続で前年度を上回り、過去最高を更新した。基幹産業の観光業の競争力を強化するため、那覇空港の施設を改良するほか、外国人観光客の受け入れ体制を整備する。翁長雄志知事が昨年11月の知事選の公約に掲げた項目も幅広く盛り込んだ。
歳入は景気回復や消費税率の引き上げなどで税収が増加。県が賄う自主財源の比率は30%に回復した。ただ、歳出は社会保障関係費が増えたために244億円の収支不足が生じ、基金を取り崩して対応した。
インフラ整備では、那覇空港の国際線と国内線ターミナルを結ぶ通路の整備など6億7千万円を新規に計上。国際物流拠点に企業を集積させるための費用に1億3千万円を充てた。那覇市中心部を結ぶ沖縄都市モノレールの延伸事業関連費用は125億円を盛り込んだ。
翁長氏が知事選で訴えた目玉政策にも配慮した。不足する保育士確保策に2億1千万円を確保するなど子育て支援を強化した。米軍基地の負担軽減を訴えるためワシントンに置く駐在員の活動費に7900万円を充てる。一方、カジノを中心とした統合型リゾート(IR)に関する調査費は翁長氏が反対を訴えたため、計上を見送った。