12日午前の東京外国為替市場で円相場は大幅に反落した。12時時点は1ドル=120円18~21銭近辺と前営業日の10日17時時点に比べ1円46銭の円安・ドル高水準で推移している。米長期金利の上昇(国債価格は下落)を背景に円安・ドル高が進んだ前日のニューヨーク市場の取引水準を引き継ぎ、早朝に円売り・ドル買いが強まった。ただ、約1カ月ぶりの円安水準である120円台半ばまで下げた後は持ち高調整目的の円買い・ドル売りも入り、円はやや下げ渋った。
11日のニューヨーク市場で円は一時1ドル=120円48銭と1月5日以来の円安・ドル高水準を付けた。日米金利差の拡大に加え、ギリシャ支援を巡る11日の臨時のユーロ圏財務相会合で「欧州連合(EU)による支援の枠組みを維持する方向で大筋合意した」と一部メディアが伝え、投資家のリスク回避姿勢が和らいだことも円売り材料となった。日本時間の早朝に円売り・ドル買いが強まり、7時30分すぎに一時120円47銭近辺と11日のニューヨーク市場安値に迫った。
売り一巡後の円は下げ渋った。ユーロ圏財務相会合を終えたデイセルブルム議長(オランダ財務相)がギリシャ支援協議について「十分な進展がなかった」と述べ、この日は結論に至らなかったことを明かすと、投資家がリスクを再認識。円を売ってドルを買う動きが鈍った。11時すぎには一時、119円98銭近辺まで円は下げ幅を縮めた。
日経平均株価は一時、前営業日比300円超の上昇となったが、円相場への影響は限られた。朝方に発表された2014年12月の機械受注統計は市場予想を上回る好調な内容だったが、円相場の反応は乏しかった。
9~12時の円の安値は120円24銭近辺で、値幅は26銭程度だった。
円は対ユーロでも大幅に反落。12時時点は1ユーロ=135円94~98銭近辺と同1円44銭の円安・ユーロ高水準で推移している。朝方、ギリシャ債務問題への警戒感が後退して円売り・ユーロ買いが優勢となり、7時20分すぎに136円70銭近辺と1月22日以来3週間ぶりの円安・ユーロ高水準を付けた。ただ、ユーロ圏財務相会合の終了後は円売り・ユーロ買いが鈍った。
ユーロは対ドルで小幅続落した。12時時点は1ユーロ=1.1310~13ドル近辺と同0.0019ドルのユーロ安・ドル高水準で推移している。〔日経QUICKニュース(NQN)〕