麻生太郎財務相は12日午後、衆院本会議で財政演説に臨み、同日提出の2015年度予算案について「15年度の財政健全化目標を達成する予算」と述べ、経済再生と財政健全化の両立を実現させる方針を示す。地方創生や子育て支援などの課題に対応するとともに、社会保障費の見直しなどで歳出の徹底的な重点化・効率化を図ったと説明する。
財政健全化に関しては「国と地方を合わせた基礎的財政収支を20年度までに黒字化するという目標をしっかりと堅持」すると改めて強調。財政健全化目標の達成に向け、「具体的な計画を本年夏までに策定する」とし、「デフレ脱却・経済再生、歳出改革、歳入改革」の3つを軸に計画を策定すると表明する。17年4月に延期した消費税率10%への引き上げについては「市場及び国際社会における国の信認を確保する」ため、「確実に実施」すると述べる。
日本経済について、安倍晋三内閣のこれまでの取り組みが実を結び、「希望と自信を取り戻しつつある」と指摘。一方で「経済再生も財政健全化もこれからが正念場」とし、日本が直面する課題に「国民一人ひとりが知恵を絞り、一致協力して乗り越えていくことが鍵」と訴える。〔日経QUICKニュース(NQN)〕