海洋に流出するプラスチックごみは世界全体で年間480万~1270万トンに達するとの試算を米ジョージア大のチームがまとめ、13日付の米科学誌サイエンスに発表した。最も流出が多いのは中国だった。
プラスチックごみは波などによって細かい破片となり、海洋生物が破片をのみ込むなど、食物連鎖を通じて人や生態系に悪影響を与える懸念が指摘されている。不適切な処理が原因と考えられ、チームは「生産者の責任を拡大させるべきだ」と提言した。
チームは海に接する192の国や地域を対象に分析。2010年の海沿い50キロ以内の人口密度、1人当たりの廃棄物の排出量、廃棄物に含まれるプラスチックの割合、不適切に廃棄処理される割合などのデータを基に、年間の海洋流出量を試算した。
1位の中国は年間132万~353万トン、2位はインドネシアで48万~129万トン、3位はフィリピンで28万~75万トンだった。上位の国は人口が多く、リサイクルや焼却、埋め立てなどの廃棄処理が適切に行われていない国が多かった。チームは不適切な廃棄処理を5割減らせば、25年までに流出量を4割減らすことができるとしている。
プラスチックは年々消費が拡大し、12年の生産量は全世界で2億8800万トンに達した。〔共同〕