リクルートキャリア(東京・千代田)が16日まとめた「就職白書2015」で、16年卒業の学生で採用できる人数は15年卒に比べ「減る」と答えた企業が42.5%に達した。経団連が採用活動の解禁時期を遅らせたのに伴い、人材獲得競争が激しくなるとみるためだ。選考解禁前の8月までに面接を始めたり、内定・内々定を出したりすると答えた企業は過半数に達した。
経団連は16年春採用から広報活動の解禁時期を大学3年生の12月から翌年3月、面接など選考の解禁を大学4年の4月から8月に遅らせた。
自社への選考応募者数の見込みを67.2%の企業が「減る」と答えた。就職みらい研究所の岡崎仁美所長は「大手と中小の採用期間がバッティングする」と予想する。内定辞退者数は6割弱が「増える」という。
人材確保へ選考解禁前の8月までに面接を始める企業は65.6%、内定・内々定を出す企業は52.2%だった。人手不足が深刻な建設業や流通業は選考活動の開始時期のピークは4~5月になる見通し。
学生から見れば売り手市場が続きそうだ。15年卒の昨年12月時点での内定取得率は84.5%と前年と比べて6.6ポイント高い。岡崎所長は「16年卒は内定時期にばらつきがあるものの、最終的な内定率は高水準に落ち着く」とみている。