20日午前の東京外国為替市場で、円相場は小幅に反落した。12時時点は1ドル=118円89~91銭近辺と前日17時時点に比べ19銭の円安・ドル高水準で推移している。日米の金利差拡大から円売り・ドル買いが先行。日経平均株価が前日に続き15年ぶりの高値圏で堅調に推移したことも円売りを誘った。
きょうは事業会社の決済が集中しやすい5.10日(ごとおび)にあたる。10時前の中値決済にかけては国内輸入企業による円売り・ドル買いが増し、9時50分すぎには一時119円10銭近辺を付けた。
半面、売り一巡後は新規の取引材料に欠き、中値決済後は前日終値の水準まで下げ渋る展開。日経平均が伸び悩むと円売りの勢いは弱まり、11時すぎには118円87銭近辺まで下げ幅を縮めた。9~12時の円の値幅は23銭程度。
売買は盛り上がりに欠いている。来週24日にイエレン米連邦準備理事会(FRB)議長による議会証言が予定されており、米利上げ時期を見極めたいと一部の投資家が売買を手控えているとの指摘が出ている。中国の春節(旧正月)に伴ってアジア各国が休場となっており、市場参加者が減っていることも値動きを鈍らせたようだ。
円は対ユーロで続伸した。12時時点は1ユーロ=135円20~23銭近辺と同23銭の円高・ユーロ安水準で推移している。ギリシャに対する欧州連合(EU)の金融支援問題についてギリシャが19日、ユーロ圏各国に融資延長を求めたが、ドイツがギリシャ側が提示した条件に「不十分」との認識を示した。先行きの不透明感からユーロは主要通貨に対して売られ、円は対ユーロで強含んだ。ただ、朝方の円買い一巡後は新規の材料に欠き、値動きが乏しくなった。
ユーロは対ドルで反落した。12時時点は1ユーロ=1.1370~73ドル近辺と同0.0039ドルのユーロ安・ドル高水準で推移している。〔日経QUICKニュース(NQN)〕