【シリコンバレー=小川義也】交流サイト(SNS)最大手の米フェイスブックは収益の柱であるネット広告事業で、中小企業の開拓を強化する。広告の制作・編集や予算の管理などがスマートフォン(スマホ)で簡単にできる専用アプリ(応用ソフト)を開発。世界で200万社を突破した広告主のさらなる拡大につなげる。
24日から米アップルのスマホ「iPhone」とタブレット「iPad」向けに広告管理アプリの配信を始めた。日本語版は3月下旬にリリースする予定。米グーグルの基本ソフト(OS)「アンドロイド」を搭載したスマホやタブレット向けのアプリも年内に提供を始める。
フェイスブックによると、同社のサイトに有料広告を出す企業は過去1年半で倍増。中小企業は広告主全体の半数以上を占めるという。外出先からスマホで簡単に広告を管理したいという要望を受けて昨年夏に専用のモバイルサイトを開設したが、より使い勝手を高めるため、アプリを開発した。
新アプリでは広告の新規作成や編集のほか、予算やスケジュールの管理、掲載中の広告の効果測定などが簡単にできる。フェイスブックで中小企業向けの広告事業を担当するダン・レビー副社長は日本経済新聞の取材に対し、「日本市場の開拓は手をつけたばかりだが、モバイル(対応)は極めて重要だ」と強調。新しい管理アプリの提供を機に、日本の中小企業の広告需要を掘り起こしていく考えを示した。