【NQNニューヨーク=神能淳志】24日の米株式市場でダウ工業株30種平均は反発した。終値は前日比92ドル35セント(0.5%)高の1万8209ドル19セントと、2営業日ぶりに過去最高値を更新した。イエレン米連邦準備理事会(FRB)議長の議会証言を受けて、米株式相場に買い安心感が広がった。
イエレンFRB議長は24日、米上院の銀行委員会で半期に1度の議会証言に臨んだ。利上げ時期を巡って、1月の米連邦公開市場委員会(FOMC)で用いた金融政策の先行きを示すフォワードガイダンスが「少なくとも今後数回の会合で利上げをできる状態にない」ことを示すと表明。市場では、早期の利上げに改めて慎重姿勢を示したと受け止められ、幅広い銘柄に買いが入った。
24日発表した2014年11~15年1月期の決算で市場予想を超える増収増益となった米ホームセンター最大手のホーム・デポが大幅高。大口預金者に対して口座維持手数料を徴収することを検討していると報じられた米金融大手JPモルガン・チェースも大きく上昇し、ダウ平均をけん引した。
ハイテク株の比率が高いナスダック総合株価指数は10日続伸。前日比7.150ポイント(0.1%)高の4968.122で終え、2000年3月10日以来およそ15年ぶりの高値を付けた。10日続伸は09年7月半ば以来、約5年7カ月ぶりの長さ。多くの機関投資家が運用の参考指標とするS&P500種株価指数も前日比5.82ポイント高い2115.48と過去最高を更新した。
業種別S&P500種株価指数は全10業種のうち9業種が上昇した。「公益事業」や「金融」のほか「電気通信サービス」なども高い。一方で「ヘルスケア」が下げた。ニューヨーク証券取引所(NYSE)の売買高は約7億2000万株(速報値)、ナスダック市場は約18億1000万株(同)だった。
個別銘柄では、米半導体大手のインテルやIBMのほか、米金融のゴールドマン・サックスも高い。24日発表した四半期決算で売上高が市場予想を上回った米ケーブルテレビ大手のコムキャストも買われた。
一方で、米医療保険のユナイテッドヘルス・グループや製薬のファイザーなどが安い。この日発表した四半期決算で売り上げが市場予想に届かなかった百貨店のメーシーズも売りが優勢だった。