東北電力は26日、2016年春卒業の学生を270人採用する計画を発表した。15年春と比べて49人増やす。同日に記者会見した海輪誠社長は「今後の小売り全面自由化に伴い、競争力の強化を意識した」と採用計画の狙いを話した。電力システム改革に対応するため、技術系の職員を増やして採用する方針だ。
16年春の採用計画人数のうち、技術系職員は220人。前年からは52人増やし、12年春以来の多さとなる。全体の採用人数のうちの技術系職員の割合も8割と、10年春以降で最も大きい。東北電は顧客に省エネを助言するサービスや、新しい電気料金メニューの作成を担当する部署に技術系の職員を多く配置する。
一方で東北電から退職する社員は毎年300人程度と、採用人数よりも多い。海輪社長は「引き続き効率よく人員を配置する」と話した。
東北電は同日、今年の冬の需給状況についても発表した。14年12月の最大需要は17日の1396万キロワットで、東日本大震災以降で最も電気の使用量が増えた日となった。
電力需要に対する供給余力を示す予備率は、最も需給が逼迫したときでも14年12月は10%、15年1月と2月は13%を確保した。