【ニューヨーク=清水石珠実】米連邦通信委員会(FCC)は26日、インターネット上の情報をすべて平等に扱う「ネットの中立性」に関する新しい規制案を承認した。ネット回線を事実上の「公共財」とみなして規制を強化し、ネット回線の運営企業が特別料金を払った一部の大口顧客を通信環境で優遇する行為などを禁止した。
FCCの委員5人が投票し3対2で可決した。新規制は、ネット回線企業が合法的なコンテンツの流れを不当に阻害したり、配信速度を遅くしたりする行為を禁じた。
その一方で、他の公共インフラサービスにあるような料金設定の許可制は導入しない方針を示した。規制の対象は、高速大容量のネット回線を運営している通信会社やCATVなどで、スマートフォンやタブレット(多機能携帯端末)向けのネット接続を提供する携帯通信企業も含まれる。
米メディアによると、FCCは近く新規制の全文を公開し、数カ月後に施行する見通し。通信大手は規制強化に強く反発し、提訴も辞さない姿勢を示している。