【ニューヨーク=山下晃】6日の米国株式市場ではダウ工業株30種平均が前日比278ドル安と大幅に反落した。2月の米雇用統計は雇用の回復基調が鮮明となり、ゼロ金利解除への警戒感が強まった。円相場は続落し、一時1ドル=121円29銭と約3カ月ぶりの円安・ドル高水準をつけた。
ダウ平均の終値は前日比278ドル94セント(1.5%)安い1万7856ドル78セント。雇用統計は非農業部門の雇用者の増加数が前月比29万5千人で市場予想(約24万人)を大きく上回った。失業率も5.5%に低下した。米連邦準備理事会(FRB)が「早ければ6月にも利上げを決める」との観測が強まった。米株式相場はダウ平均を構成する30銘柄すべてが売られる全面安の展開となった。
S&P500種の業種別指数では有利子負債が多く金利上昇が逆風となる電力・ガスなどの「公益事業」が3%安と値下がり率で最大となった。一方で利ざやの拡大が見込まれる「金融」は0.7%安と、下落率が最も小さかった。
日米金利差の拡大が意識され円相場は続落した。終値は前日比70銭円安・ドル高の1ドル=120円80~90銭となった。
ユーロは一時1ユーロ=1.0839ドルと約11年半ぶりのユーロ安・ドル高水準をつけた。新興国通貨も売られ、ブラジルの通貨レアルは2004年8月以来の安値水準まで下落。ドルの独歩高が進んだ。
債券相場では早期の利上げを意識した売りが出て、長期金利の指標の10年物国債利回りは前日比0.13%高い(価格は安い)2.24%で終えた。