ボードに書き込まれる各企業のベア回答=15日午前、東京・日本橋の金属労協、林紗記撮影
今春闘は15日、自動車や電機など大手メーカーの経営側が労働組合の賃上げ要求に一斉に答える集中回答日を迎えた。経営側は賃金体系を底上げするベースアップ(ベア)に4年連続で応じるが、引き上げ幅は前年実績を軒並み下回り、過去4年で最も小幅の回答が相次ぐ見通し。安倍政権が賃上げを促す「官製春闘」の勢いに陰りが出ている。
春闘相場を牽引(けんいん)してきたトヨタ自動車のベア回答は月1300円。要求額の3千円に届かず、前年実績の1500円も下回る。前年割れは2年連続。「官製春闘」が始まった2014年以降でベアは最低水準となった。ベアとは別に、労使で合意済みの家族手当の増額を今春に前倒しし、組合員平均で月1100円引き上げる。
日産自動車のベア回答は月1500円。要求額の3千円の半分で、満額回答だった前年実績と比べても半額にとどまった。自動車部品大手タカタ製エアバッグのリコール問題への対応が一段落したホンダは、前年実績を500円上回る1600円を回答した。
例年、要求額をそろえる「統一…