日本人の子が海外で生まれて外国籍を取得した場合、出生後3カ月以内に手続きしないと日本国籍を失うと定めた国籍法12条の規定が憲法に違反するかが争われた訴訟の上告審判決で、最高裁第3小法廷(大谷剛彦裁判長)は11日までに、「規定は合憲」との初判断を示し、原告側上告を棄却した。
フィリピンで生まれた15人の原告について日本国籍がないとした一、二審判決が確定した。5人の裁判官の全員一致。
日本国籍があることの確認を求めて上告していたのは、いずれもフィリピンで結婚した日本人の父とフィリピン人の母の間に生まれた子。フィリピン国籍を持ち、親が出生後3カ月以内に意思表示をしなかったため日本国籍を失った。
同小法廷は判決理由で、国籍法12条について「二重国籍の発生などを防ぐという立法目的には合理的な根拠がある」と指摘。3カ月以内に意思表示をしなくても、国内に住所があって20歳までに届け出れば日本国籍を取得できる規定があることなどから「国籍法12条の規定は不合理とは言えず、憲法に違反しない」と判断した。
一審・東京地裁と二審・東京高裁も規定は違憲ではないと判断し、原告側の訴えを退けていた。