【ローマ=共同】イタリアのベルルスコーニ元首相(78)が未成年者買春と汚職(職権乱用)の罪に問われた裁判で、同国最高裁は10日、無罪を言い渡した高裁判決を支持した。無罪が確定する。
ミラノ高裁は昨年7月、禁錮7年の一審判決を破棄して逆転無罪を言い渡し、検察側が上告していた。
検察側はベルルスコーニ氏が首相在任中の2010年、自宅を訪れた女性=当時(17)=を買春したと主張。女性が後に窃盗容疑で拘束された際、同氏が警察に電話して釈放させ、職権を乱用したとしていた。
一審のミラノ地裁は13年、禁錮7年の判決を言い渡したが、二審は「女性が未成年とは思っていなかった」などとする弁護側の主張を認めた。
同氏は13年に脱税事件で実刑判決が確定し、議員資格を剥奪され失職。政治活動は続けているが政界での影響力は弱まりつつあり、同氏が率いる野党「フォルツァ・イタリア」の支持率も低下している。
脱税事件では禁錮4年(恩赦法で1年に減刑)を言い渡されたが、高齢のため収監されず、1年間の社会奉仕を命じられた。奉仕期間は今月終了した。