ガソリンの店頭価格が一段と上昇し1リットル140円に迫った。資源エネルギー庁が11日発表した9日時点のレギュラーガソリン店頭価格(全国平均)は前週比0.6円高の1リットル139.9円だった。原油価格が1月下旬に上昇に転じたためだ。ただ原油の値上がりは続かず最近は一進一退が続いているため、ガソリンの上昇ペースも鈍ってきた。
値上がりは4週連続で合計6.4円上がった。2カ月ぶりの高値だ。各地の販売激戦区でも値上がりが続き、千葉市の国道16号沿いでは安値が120円台後半となり1カ月で10円程度上がった。
全国的に値上がりしたが、岡山など3県では下がった。販売競争などで値下がりした地域があったようだ。最安値は製油所があり輸送費が安くなる岡山県の135円。高値は離島を含む鹿児島県の148.4円だった。
反発していた原油の国際価格は2月中旬ごろから、ほぼ横ばいで推移。アジアで指標となるドバイ原油の取引価格は11日、1バレル54.40ドルと約1カ月ぶりの安値だ。米国の原油生産にブレーキがかからず需給緩和は長引くとの見方が出ている。
原油価格の動向がガソリン価格に反映されるまでには時間がかかる。店頭価格の上昇幅は前週の1.4円に比べ縮小したものの値上がりが続いた。一部の石油元売りは引き続き卸値を引き上げており、調査を担当する石油情報センターでは「ガソリンの店頭価格は来週も小幅に上がる」という。
ガソリンの給油
また伊藤リサーチ・アンド・アドバイザリーの伊藤敏憲アナリストは「原油相場は一進一退の状況が続く。ガソリンの店頭価格は140円前後で横ばいとなるのではないか」とみている。
ガソリン需要は伸び悩んでおり「消費増税前の駆け込み需要があった前年と比べると販売は大きく落ち込んでいる」(都内のスタンド)という。
このほか灯油の店頭価格は前週比0.3円高の1リットル84.4円、ハイオクガソリンは0.7円高の150.8円だった。