大阪府の中原徹教育長(44)は11日、辞職する意向を表明し、府教育委員会は臨時会議で同意した。府教委の第三者委員会が部下などへのパワーハラスメントを認定し、府議会などから辞職を求める声が出ていた。臨時会議後に記者会見した中原氏は「教育改革が道半ばで終わってしまい申し訳ない」と謝罪した。松井一郎知事も同意しているといい、知事の辞令を受けて正式に辞職する。
中原氏は辞職の理由を「組織のトップとしてけじめをつける」と説明。パワハラ問題で「教育現場に迷惑をかけた。不快な思いをした人もいる。責任を感じている」と改めて陳謝する一方、第三者委の報告書の内容は「真実が反映されていない」とも述べた。松井氏には10日に電話で辞意を伝えたという。
府知事時代に中原氏を府立高の民間人校長に招いた橋下徹大阪市長は11日、市役所で記者団に「辞める必要はないが、彼が決めたことで仕方ない。やったことは正当化できない。反省しないといけない」と述べた。
パワハラ問題は、立川さおり教育委員が昨年10月の府教委会議で高圧的な発言をされたと指摘して発覚。第三者委が2月20日、立川氏や職員4人に異動をほのめかすなど強圧的な発言をしたとする報告書をまとめた。
中原氏は松井氏や橋下氏の慰留を受けて続投の意向だったが、3月に入り府議会で公明党、自民党、民主党の各会派が辞職勧告決議案を提出。さらに府内41市町村の教育長も10日、陰山英男委員長に中原氏の進退で「毅然とした対応」を求める要望書を提出していた。
中原氏は橋下氏と大学時代からの友人。日米で弁護士業務の後、府立和泉高校長を経て13年4月に松井氏に民間出身初の府教育長に起用された。