(10日、川崎2―1柏)
前半残りわずか。無得点のまま折り返しかという雰囲気が流れかけたところで、川崎が一気にたたみかけた。
前半42分、川崎のMF中村のCK。「前半で試合を決めるつもりでいた。狙っていた」というDF谷口が、20歳の柏DF中谷らの守備の甘さをかいくぐり、ニアサイドで豪快にヘディングシュート。先制点を奪った。
さらにその直後の追加時間、今度はFW阿部が、20歳の相手DF中山の緩慢なボールキープを見逃さず、ゴール前で奪い取った球を、ノーマークの中村にパス。中村がGKの動きをよく見て、楽々と追加点をあげ、試合の主導権を一気にたぐり寄せた。
この日の柏は、最終ラインの4人のうち3人が20歳以下の選手だった。下部組織出身の有望株とはいえ、まだまだ経験が足りない。「下部組織で指導を受けた下平監督のサッカーを、彼らが知っていることもあるが、将来性を見て使ってもらっている部分はある」と柏の主将MF大谷も話す。
川崎の攻撃陣は100試合以上出場している選手ばかり。試合開始早々から相手DFラインにプレッシャーをかけ、柏の守備陣を常に慌てさせていた。こぼれ球を次々と拾い、柏にペースをつかませなかった。
「前線からのプレスがしっかりやれている」と川崎の鬼木監督。老練な川崎が、柏の守備陣の若さを突いて、勝利に結びつけた。(河野正樹)