火事で全焼し、3人の遺体が見つかった「ひだまりⅢ」=12日午前3時45分、愛媛県松野町、佐藤英法撮影
12日午前1時5分ごろ、愛媛県松野町豊岡の障害者グループホーム「ひだまりⅢ(さん)」から黒煙が出ていると、110番通報があった。鉄骨モルタル造りの平屋約180平方メートルが全焼し、焼け跡から男女3人の遺体が見つかった。県警は入居者の女を現住建造物等放火の疑いで逮捕した。「自室で火を付けた。間違いありません」と容疑を認めているという。
障害者施設に放火容疑、入所者の女を逮捕 3人死亡
宇和島署によると、逮捕されたのは無職善家千文(ぜんけちふみ)容疑者(49)。12日午前0時50分ごろ、自室の備品に火をつけて建物を全焼させた疑いがある。出火直後、自室付近にいたところを別の入居者に促され、外に避難していた。約5年前から施設で生活していたという。
施設は地元のNPO法人みこと会が運営。出火当時、施設内には精神や身体などに障害がある8人がいた。このうち楮本(かじもと)佳成さん(36)、岡田裕二さん(38)、小谷文子さん(67)と連絡が取れず、それぞれの居室で遺体が見つかったため、同署は亡くなったのはこの3人とみて確認を進めている。男性2人は足が不自由で、車いすを使っていたという。
この日は60代の女性職員が宿直していたが、施設周辺の見回り中に出火したという。敷地内には同様の施設がほかにも3棟あり、職員2人で2棟ずつを担当していた。独立行政法人福祉医療機構のホームページによると、みこと会は松野町で障害者施設4カ所と就労支援事業所などを運営している。現場は同町中心部から北西約1キロにあり、田畑や住宅が混在する一角。