大阪府議会は17日午後の本会議で、大阪市を5つの特別区に分割し、府と再編する「大阪都構想」の協定書(構想案)を地域政党「大阪維新の会」と公明党の賛成多数で可決、承認する。既に承認した市議会と双方の議決がそろうことで、構想の是非を問う住民投票の実施が決まる。日程は「4月27日告示、5月17日投票」となる見通しだ。
投票権を持つのは20歳以上の大阪市民約215万人。賛成票が反対票を上回ると、市は2017年4月1日に北、湾岸、東、南、中央の5区に移行する。政令指定都市がなくなれば1956年の政令市の制度創設以来初となる。
一連の手続きを定めた大都市地域特別区設置法に基づき、府市の法定協議会がまとめた協定書によると、特別区は福祉や子育てなど身近な行政サービスを担当し、インフラ整備などの広域行政は府に集約する。各区には東京23区と同様に公選制の区長と区議会を置く。
都構想は大阪維新の会(代表・橋下徹市長)が「府市の二重行政を解消する」として提唱。協定書は昨年10月、公明、自民など他党の反対多数で府市両議会で否決されたが、同12月の衆院選で、維新が府内の比例代表得票数で第1党になったことを受け、公明が住民投票実施を容認する方針に転じたため、両議会で可決されることになった。
構想では「都」と銘打つものの、名称を「大阪都」に変更するには、新たに法律を国会で成立させる必要がある。
府議会は17日、委員会で各党が意見表明をしたうえで採決を行い、その後に本会議が開かれる。