17日午前の東京外国為替市場で円相場は反落した。12時時点は1ドル=121円44~47銭近辺と前日17時時点に比べ22銭の円安・ドル高水準で推移している。米連邦準備理事会(FRB)による利上げ開始が遅れるとの見通しから株価が大幅に上昇した前日の米国市場の流れを引き継ぎ、日経平均株価が上昇。低リスク通貨とされる日本円を売ってドルを買う動きが優勢だった。一方、日銀による金融政策決定会合で「政策の現状維持」との結果明らかになった12時すぎに一時円買いが強まり、121円30銭近辺まで下げ幅を縮めた。
朝方から円売り・ドル買いが優勢で、日経平均株価が上げ幅を広げる過程で円は下げ幅を広げた。前日の安値を下回ると円の下値を探る動きが一時的に強まり、9時30分すぎに121円53銭近辺を付けた。
半面、17~18日にかけて開かれる米連邦公開市場委員会(FOMC)でドル高への慎重な意見が出るとの思惑が円相場の支えとなり、下値は限られた。9~12時の円の高値は121円38銭近辺で値幅は15銭。同時間帯は日銀の会合やFOMCの結果を見極めたいとして取引を控える投資家も多く、商いは低調との声があった。
円は対ユーロで反落した。12時時点は1ユーロ=128円38~41銭近辺と同72銭の円安・ユーロ高水準で推移している。欧州中央銀行(ECB)による量的金融緩和の開始でユーロはこのところ円に対しても売りが強まっていたが、反動からユーロを買い戻す動きが強まった。ECBは16日、国債などを約97億ユーロ(1兆2000億円)買い取ったと発表した。
ユーロは対ドルで上昇。12時時点は1ユーロ=1.0570~73ドル近辺と同0.0040ドルのユーロ高・ドル安水準で推移している。ドル高に対する警戒感がユーロ買い・ドル売り材料となった。〔日経QUICKニュース(NQN)〕