16日の東京債券市場では、長期金利の指標となる満期10年の新発国債の流通利回りが一時0・1%に上昇(価格は低下)した。日本銀行がマイナス金利政策の導入を決めた1月29日以来の高い水準となった。対ドルで円安も進み、株価も取引時間中の年初来高値を更新。米国の金利上昇を受けた円安・株高・金利高が続く。
トランプ次期大統領の経済政策への期待感に加え、米連邦準備制度理事会(FRB)が来年の利上げ見通しを引き上げたことで米国の長期金利が一段と上昇。日本の長期金利も上がるとの予想が強まった。
ただ、長期金利を「ゼロ%程度」に誘導する日銀の新政策も意識され、長期金利が0・1%をつけたあとは国債に買いが入った。その後はおおむね0・08%前後で推移している。
一方、前日の海外市場では日米の金利差が開くとの観測からドル買い円売りの動きが強まり、円相場は一時1ドル=118円台半ばで約10カ月ぶりの円安水準となった。東京市場もその流れを引き継ぎ、午後1時時点では前日午後5時より50銭円安ドル高の1ドル=118円12~13銭。対ユーロは同15銭円高ユーロ安の1ユーロ=123円21~23銭。
東京株式市場では自動車や精密機械などの輸出関連株を中心に買いが先行。午後1時の日経平均株価は前日の終値より121円40銭高い1万9395円19銭。午前の終値は日経平均が同131円82銭高い1万9405円61銭、東京証券取引所第1部全体の値動きを示すTOPIX(東証株価指数)は同7・82ポイント高い1550・54。(久保智、座小田英史)