政府は17日までに、特定秘密保護法に基づく特定秘密をめぐり、各項目の概要や指定年月日などを記した「特定秘密指定管理簿」を民主党に示した。昨年末時点で10の行政機関が指定した382件のうち防衛省分を除く135件と、警察庁が1月1日に指定した5件の計140件。全体のほぼ3分の1にあたる。
管理簿に記載した特定秘密の概要では、たとえば国家安全保障会議が2013~14年に開催した「同会議の4大臣会合を経て確認した議論の結論」としている。会議を特定できるような具体的な記述はない。
警察庁は「内閣衛星情報センターが安全保障に関し情報収集衛星で収集、分析する対象」などをあげた。外務省分は北朝鮮による日本人拉致問題や核・ミサイル関連の情報を含んでいる。内閣官房、総務省、法務省分には、一部を黒塗りにした管理簿が計5件あった。
有効期間は海上保安庁の1件以外はすべて「5年」としている。特定秘密保護法の運用基準は「5年以下の最も短い期間」と定めているが、実際は大半が最長の5年だったのも分かった。
管理簿は民主党議員が衆院予算委員会で1月に政府に開示を要求。9の機関が13日以降、順次応じた。防衛省は「件数が多く公表できるかどうか精査に時間がかかっている」としている。
細野豪志政調会長は17日の記者会見で、各省庁の回答が衆院の予算審議終了後だったことに関し「情報開示は政府の責任だ。予算審議が終わった段階で出すのは説明する意欲がないことを端的に表している」と批判した。