南スーダン国連平和維持活動(PKO)に派遣している陸上自衛隊の日報公開問題で、防衛省は、「廃棄した」として情報公開請求に対して不開示と決定した後に陸自内で日報データが発見されたものの、省内で公表しないよう指示があったことを確認した。
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また、陸自内での文書保管は、陸海空の自衛隊の運用を取り仕切る統合幕僚監部にも伝えられ、非公表を決める過程で防衛省の幹部間で調整が行われた可能性があることも関係者への取材でわかった。
稲田朋美防衛相の直属組織である防衛監察本部は17日、特別防衛監察を開始。組織的な隠蔽(いんぺい)工作の有無などを調べる見通しだ。
日報をめぐっては、ジャーナリストの公開請求に対し、防衛省が廃棄を理由に昨年12月に不開示を決定。その後、統幕に電子データが残っていたことが判明し、今年2月に公開した。
防衛省のこれまでの調べでは、1月に陸自内にデータが保存されていたことが判明。省内でそうした事実を伏せるようにという指示が出されていた。防衛省幹部によると、「削除された可能性も濃厚だ」という。
一連の問題では、防衛省の組織的な隠蔽の疑いや、稲田氏のシビリアンコントロール(文民統制)の不十分さが、野党などから指摘されている。