東京都は28日、築地市場(中央区)の「敷地全体に土壌汚染の恐れがある」とする報告を昨年3月にまとめていたことを公表した。条例に基づいて文献を調べる土地の利用履歴調査で分かった。かつて進駐軍のドライクリーニング工場などがあり、有害物質が使用されていた可能性を指摘している。
都道環状2号線の建設にあわせて、都建設局が市場の敷地を含む予定地の利用履歴を調べた。3千平方メートル以上の土地利用を変更する場合、都条例で義務づけているという。
その結果、市場の敷地には有機溶剤を用いたと考えられるドライクリーニング工場のほか、給油所などがあったことが分かった。このため、「土壌汚染の可能性が考えられる」とし、担当の都環境局も「敷地全体に汚染の恐れがある」と判断していた。有害物質の有無を実際に調べてはいないが、現状について都は「地面はコンクリートなどで覆われており、地下水の利用もないので健康に影響はない」としている。
都は同日、2001年以降、同市場で8件の店舗耐震補強工事などを行っていたにもかかわらず、利用履歴調査をしていなかったことを発表した。ほかの都の市場でも、必要な調査なしで工事したケースが数十件見込まれている。