岐阜県美濃加茂市の雨水浄水設備を巡り、受託収賄罪などに問われた同市長、藤井浩人被告(30)に無罪を言い渡した一審・名古屋地裁判決を不服として、名古屋地検は18日、名古屋高裁に控訴した。地検の大図明次席検事は「理由は控訴趣意書で明らかにする」としている。
藤井市長は「不当な控訴で、市民にさらに迷惑をかけることは許しがたい」とコメントした。
公判では、贈賄側の設備会社社長(44)=贈賄罪や詐欺罪などで実刑確定=の供述の信用性が最大の争点となっていた。控訴審でも信用性を巡って検察側、弁護側が争うとみられる。
5日の名古屋地裁判決は、贈賄側供述には変遷があるとして「現金の受け渡しがあったと認めるには合理的な疑いが残る」と判断し、無罪を言い渡した。