【NQNニューヨーク=古江敦子】20日のニューヨーク外国為替市場で円相場は反発した。前日比75銭円高・ドル安の1ドル=120円00~10銭で取引を終えた。米連邦準備理事会(FRB)による緩和的な金融政策が長引くとの見方が強く、対円でのドル買い持ち高を縮小する動きが強まった。
新たな取引材料に乏しいなか、米連邦公開市場委員会(FOMC)参加者らによる政策金利見通しが昨年12月時点よりも引き下げられたことが根強く意識され、ドル売りにつながった。米長期金利が低下したことも、日米の金利差縮小を見込んだ円買い・ドル売りを誘った。
シカゴ連銀のエバンス総裁は20日の講演で「(FRBは)2016年まで利上げすべきではない」と述べたと伝わった。半面、アトランタ連銀のロックハート総裁は「利上げは(今年の)6月や7月、9月のすべてのFOMCで検討される」と述べたと報じられたが、ともに相場の反応は限られた。
この日の円の高値は119円90銭、安値は121円05銭だった。
円は対ユーロで反落し、前日比1円20銭円安・ユーロ高の1ユーロ=129円90銭~130円ちょうどで取引を終えた。対ドルでユーロが大きく上昇したことを受け、対円でもユーロ買いが及んだ。
ユーロは対ドルで大幅反発し、前日比0.0165ドル高い1ユーロ=1.0820~30ドルで終えた。FRBによる緩和的な金融政策が長期化するとの見方から、対ユーロでもドル買いの持ち高を縮小する動きが広がった。
ギリシャへの金融支援を巡り、前日には欧州連合(EU)の一部首脳が追加融資の実行に向けた作業を迅速に進めることで合意。同国の資金繰りに対する懸念が和らいだとの見方も引き続き、ユーロ買い・ドル売りを誘った。
ユーロの高値は1.0882ドル、安値は1.0714ドルだった。