■大阪大学 永井健治教授らは青色とオレンジ色を発するたんぱく質を開発した。従来開発した緑色に光るたんぱく質と組み合わせて使い、細胞内で働く複数の遺伝子の様子を同時に観察できた。細胞にとって毒となる紫外光をあてる必要がなく、より生体に近い状態で再現できる利点がある。成果は米科学アカデミー紀要(電子版)に24日掲載される。
研究グループはほたるのように自ら光を発するウミシイタケに注目。「ウミシイタケルシフェラーゼ」という物質と「セレンテラジン」という物質が関わることで光を発する点に注目した。この物質にエネルギーを増幅するよう構造を改変すると、肉眼でも観察できるくらい明るい色を出すことに成功した。蛍光物質と組み合わせるため、色のパターンはさらに増やせる。
様々な細胞に成長する万能細胞の一種、胚性幹細胞(ES細胞)の実験に使えるか試した。その結果、「Oct4」など万能性に関わる3つの遺伝子についてそれぞれ青色、緑色、オレンジ色と色を分けて同時に観察できた。