【ワシントン=川合智之】米航空宇宙局(NASA)は25日、2020年代の実現を目指す有人小惑星探査計画の詳細を発表した。無人機が小惑星から岩石を取ってきて月周回軌道に運び、25年にも有人宇宙船「オリオン」で回収する。
新たな計画では無人捕獲機を20年に打ち上げ、2年後に小惑星からロボットアームで約4メートルの岩石を捕獲。無人機は月周回軌道に移動し、オリオンに乗った宇宙飛行士が岩石を回収する。岩石を持ち帰る小惑星の候補として、日本の探査機「はやぶさ」が着陸したイトカワなど3つを挙げた。
小惑星を投網のような捕獲装置でつかまえて地球近くまで運ぶ案も計画されたが、見送られた。
小惑星は太陽系の誕生後、天体などが衝突して分離したと考えられており、表面の状態はあまり変わっていないとみられる。小惑星の岩石を調べることは、地球や太陽系がどのようにできたかを解明する手がかりになる。また小惑星探査は宇宙飛行士が将来火星に行くための第一歩になるとNASAは位置づける。