月探査機「嫦娥5号」の帰還モジュールが17日午前1時59分、月の土壌の試料を携え内蒙古(内モンゴル)自治区四子王旗の予定エリアに安全に着陸した。これにより、月探査事業嫦娥5号任務が無事成功した。科技日報が伝えた。
嫦娥5号探査機は11月24日に中国文昌航天発射場から打ち上げられ、月遷移軌道に入った。探査機は2回の軌道修正、2回の月接近制動を実施し、月周回軌道に順調に入った。その後探査機は結合体の分離、月周回軌道下降及び動力下降を行った。着陸モジュールと上昇モジュールの結合体は今月1日、月の表側の予定エリアに着陸し、試料採取を行った。上昇モジュールは3日に点火・離陸を実施し正確に軌道に入り、6日に軌道モジュールと帰還モジュールの結合体とのドッキング及び試料の移動を終えた。その後、計画に基づき分離し、制御を受け月に落下した。軌道モジュールと帰還モジュールの結合体は12−16日にかけて、2回の地球遷移軌道への移動、2回の軌道修正を実施した。帰還モジュールは17日に軌道モジュールと分離し、再び地球に戻った。
計画によると、回収された嫦娥5号の帰還モジュールは必要な地上処理作業を終えた後に北京に空輸され、ハッチが開かれ、試料の容器と搭載物が取り出されることになっている。中国国家航天局が時期を見て引き渡しセレモニーを行い、地上応用システムに正式に月の試料を引き渡す。中国初の地球外天体の試料の保存、分析、関連研究活動も開始される。
国家航天局の専門家によると、嫦娥5号探査機は1回の任務で、中国の宇宙事業の史上初の月面試料採取、月面離陸、月周回軌道におけるドッキング、試料を積載しての帰還といった多くの重大な進展を実現した。中国の月探査事業の「周回・着陸・帰還」という3ステップ発展計画に円満なピリオドを打った。同時に嫦娥5号任務は中国の最も複雑で技術的に最も難しい宇宙システムプロジェクトとして、複数の面での技術革新を実現し、一連の重要技術を確立した。これは中国の宇宙技術水準の向上、月探査プロジェクト体制の改善、月科学研究の展開、今後の月および宇宙空間探査任務に対して、過去を受け継ぎ未来を切り開く節目としての重要な意義を持つ。(編集YF)
「人民網日本語版」2020年12月17日