【NQNニューヨーク=大石祥代】30日の米株式相場は大きく続伸した。ダウ工業株30種平均の終値は前週末比263ドル65セント(1.5%)高の1万7976ドル31セントだった。上昇幅は2月3日以来ほぼ2カ月ぶりの大きさだった。医療保険のユナイテッドヘルス・グループなど、医療・製薬関連で大型のM&A(合併・買収)の発表が相次ぎ、企業収益の拡大を期待した買いが入った。相場下落が大きかった前週の反動から、バイオ医薬品銘柄を中心に目先の戻りを見込んだ買いも入った。
緩和的な金融政策が長引くとの観測を背景に欧州や中国の株式相場が上昇し、投資家が運用リスクをとる姿勢を強めた面もあったという。
ダウ平均の上げ幅は一時300ドルに迫った。その後は、取引終了にかけて値動きが乏しかった。
ハイテク株の比率が高いナスダック総合株価指数は前週末比56.222ポイント(1.1%)高の4947.441で終えた。医薬バイオ銘柄を中心に構成されるナスダック・バイオテクノロジー株指数も大きく上昇した。
業種別S&P500種株価指数は10業種全てが上げた。「エネルギー」「資本財・サービス」「金融」などを中心に上昇した。ニューヨーク証券取引所(NYSE)の売買高は約6億8000万株(速報値)、ナスダック市場は約17億2000万株(同)だった。
医療保険のユナイテッドヘルス・グループはダウ平均構成銘柄のなかで上昇率が上位だった。薬剤給付管理サービスのカタマラン・コーポレーションの買収を発表し、収益期待の拡大を見込んだ買いが入った。カタマランは急伸した。バイオ製薬のオースペックスが急騰。イスラエルの製薬大手のテバ・ファーマシューティカル・インダストリーズに身売りすると発表した。テバも小幅高で終えた。
ブラジルでのアルミ精錬の停止を発表したアルコアが上昇。航空機のボーイングやアップルも上げた。
一方、ヤフーが下落。マイクロソフトとの検索エンジンに関する提携について、契約更新を巡る協議期間を延ばしたと発表しした。マイクロソフトや半導体のインテルも下げた。