セブン&アイ・ホールディングスは2日、本業のもうけを示す連結営業利益が2016年2月期に前期比9%増の3730億円と、5期連続で過去最高になる見通しだと発表した。消費増税の影響が一巡するほか、地域の嗜好に沿った商品開発などでコンビニエンスストア事業の好調が続く。会見した村田紀敏社長は消費動向について「楽観できないが緩やかに回復している」と述べた。
売上高にあたる営業収益は6%増の6兆4000億円、純利益は12%増の1930億円を見込む。国内コンビニは過去最高となる1700店の出店を計画。これまで店舗のなかった青森県、鳥取県にも出店する。お弁当や総菜の味付けを地域によって変えるなどより細かな対応をとる。
米国のコンビニ事業もピザなどのファストフードの導入が進み好調が続きそう。日米を合わせたコンビニ事業の営業収益は10%増の3兆円、営業利益は7%増の2960億円を計画している。
苦戦が続く総合スーパーのイトーヨーカ堂も、店舗に仕入れ権限を与え商圏にあった販売戦略を展開。営業収益で2%増の1兆3100億円、営業利益は約5倍の100億円をめざす。ただコンビニに比べスーパーの収益力は依然低く、利益率は1%以下にとどまる。
百貨店のそごう・西武は衣料品で自主企画商品を強化し、約2割の営業増益をめざす。
同日発表した15年2月期の連結決算は、コンビニ事業の好調で営業利益は前の期比1%増の3433億円だった。店舗の陳列ケースの入れ替えに伴う特別損失の発生などが響き純利益は2%減の1729億円だった。
コンビニ加盟店分も加算したグループ全体の売上高は10兆2356億円と初めて10兆円を超えた。今期は10兆8000億円を見込んでいる。
村田社長は足元の消費について「不透明感はあるが、ガソリン価格の下落はプラスの影響がある」と指摘。「新しく、価値があり、味の良い物にこだわって、商品開発していきたい」と述べた。