中国は11年連続で世界一の製造大国になった。どうやって達成できたのか。局面が大きく変化する新たなタイミングにあって、新型コロナウイルス感染症と貿易摩擦は中国の製造業にどんな挑戦を突きつけるのか。中国新聞社が伝えた。 上述した問題について、外交学院世界政治研究センターの施展センター長(教授)が取材に答えた。施氏の三部作「枢軸——3000年の中国」、「横溢——中国製造業の未来史」、「繭から羽化——隔離・信任・未来」は、社会科学分野のベストセラーで、学術界の注目を集めている。 施氏は、「中国の製造業が世界一になった外部要因は主としてグローバル経済構造のモデル転換であり、中国はちょうどいい具合にそのタイミングに居合わせた。第1に、1990年代中期にスタートした欧米のイノベーションによる経済モデル転換が、大規模なアウトソーシングニーズを生み出し、中国はこれを引き受けることができた。第2に、中国は世界貿易機関(WTO)に加盟し、グローバル市場は中国に向かって開かれるようになり、中国製造業が強く大きくなるようけん引した」と述べた。 内部要因についていえば、一般的には、中国には整った工業分類、巨大な市場空間、充実した関連設備、質の高い労働者がおり、こうしたことが中国の製造業を絶えず強くし、速度も速めている、とみられている。 施氏は、「中国人の努力ぶりを真似できる国はほとんどなく、さらに中国には力強い政府がある。こうした要素が合わさって、強大な『サプライチェーンネットワーク』を形成し、中国製造業の総合的コストを低い水準へと引き下げた。サプライチェーンネットワークは多くの工場が単純に集まるというものではなく、より多くのシステムの生態的な協力が必要であり、極めて大きな規模に到達した後に、コスト抑制のロジックを推進して一種の質的な変化が起こり、さらには他国が中国と競争することが難しくなる」と述べた。 しかし大きいことは強いこととイコールではない。中国は製造業の発展レベルについて冷静に認識する必要がある。工業・情報化部(省)の苗■(土へんに于)元部長は、「中国はまだグローバル製造業の第3グループにおり、製造業強国になるにはおよそ30年の時間が必要だ」と述べた。 施氏は、「中国製造業の不足点は、先端設備が明らかに弱いということのほか、製造能力の不足、独自イノベーションの不足といった問題もある。中国は基礎研究とコア技術に多くの弱点を抱えており、特に0から1に飛躍するイノベーションが欠けている。こうした面で、中国はまだ長い道のりを歩まなければならない」との見方を示した。 感染症と貿易摩擦は中国の産業チェーン・サプライチェーンの弱点をあらわにした。同部は最近、41の工業大分類と小分類を整理し、両チェーンの「空白点」を探り出し、チェーンを強化・補強した。 施氏は、「安全という角度からみると、『発展を制約する』重大なウィークポイントを解決することが必要だが、すべてのプロセスを中国が独自に確立する必要はなく、実際には制約があるプロセスでも各国が依存し合っているのであり、最も重要なプロセスで対抗できる能力があればそれでよいのだ」と述べた。 「発展を制約する」ウィークポイントは安全に関わる問題だが、ほとんどの経済プロセスはこれに関わらず、ただ経済の問題としてあるだけだ。経済の問題について言えば、各国はみな相対的な優位性に基づいて発展を遂げるべきで、これが最も効率のいいやり方だ。 20世紀のグローバル製造業の発展を振り返ると、製造業の中心は絶えず移動しており、欧米から日韓へ移り、アジア四小龍に移り、さらに中国へと移った。中国はこの地位を保ち続けられるだろうか。 施氏のチームはベトナム製造業への踏み込んだ調査研究を経て、「工場が移転しただけでサプライチェーンネットワークは移転しておらず、実質的な意味での産業移転にはなっていない」との見方を示した。海外にも中国のような大規模なサプライチェーンネットワークの移転を引き受けられる国はない。施氏は、「中国のサプライチェーンネットワークはまだ貿易摩擦によって実質的な試練に直面したことはない」と述べた。 グローバル製造業の局面を変化させられる何らかの要因があるとすれば、それは技術革命だろう。施氏は、「新たな技術革命の矢が弓につがえられたが、今は一点突破の段階にとどまり、複数の分野における共振効果がまだ表れていない。しかしますます多くの兆しからわかるように、こうした共振効果は今にも表れようとしている。中国にとって、社会のイノベーションの活力をどのようにして発揮させるか、新たな科学技術革命から中国が脱落しないようにするにはどうするかが、極めて重要だ」と述べた。(編集KS) 「人民網日本語版」2021年3月16日 |
中国は11年連続で世界一の製造大国 そのよりどころは?
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