経済産業省は３日に開いた有識者会議「電力需給検証小委員会」（柏木孝夫委員長）で、昨冬の全国の電力需給の状況を公表した。原発が稼働しなくても電力供給の余力の割合を表す予備率を４％以上確保しており、安定供給の目安とされている３％を上回った。

検証委は今後、今夏に数値目標付きの節電が必要かなどを検討する。原子力規制委員会は九州電力川内原発１号機（鹿児島県）の再稼働に向けた手続きを進めている。手続きが順調にいけば夏に再稼働し、電力需給に余力が出る可能性がある。

検証委は地域ごとに電力会社をつなぐ送電線や、東西で異なっている電気の周波数の変換設備の増強なども議論する。

送電線などの増強は災害発生時などに全国規模で電気のやりとりをスムーズに行うためで、停電回避などが目的。ただ、巨額の費用が見込まれることから、経産省は望ましい手法を慎重に検討する方針だ。