筑波大学の正田純一教授らは3日、食べ過ぎや運動不足などが原因で起こるタイプの脂肪肝は、早歩きなど少し強めの運動を1日に約30分続けると、体重が減らなくても症状が改善するとの結果をまとめた。肥満男性169人について調査したデータからわかった。汗がにじむ程度の運動が効果的という。
成果は米国の専門誌に発表した。対象にしたのはアルコールが原因ではない「非アルコール性脂肪性肝疾患」。正田教授によると、国内の患者は約1000万人で、肥満の人のほぼ3割に当たる。研究グループは体格指数(BMI)が25~49の男性169人の日々の活動状況を3カ月計測して分析した。
やや強めの運動を週に250分以上こなしたグループは、善玉コレステロールや肝臓の炎症を抑える物質が増え、内臓脂肪の面積や血中の中性脂肪の濃度が下がるといった効果が表れた。体重の減り具合とは関係がなかった。