トランプ米次期大統領は5日、トヨタ自動車がメキシコで計画している新工場についてツイッターで「米国に工場を建てるか、国境で高い税金を払え」と名指しで批判した。これまで米国メーカーの国外移転を強く批判してきたが、大統領選後初めて日本企業にも矛先を向けた。
トヨタ株、一時大きく下落 トランプ氏の批判受け
トランプ氏はツイッターで「トヨタはメキシコのバハ(カリフォルニア半島)に米国向けのカローラを作る工場を建てると発表した。とんでもない!」などとツイートした。トランプ氏は大統領選中に、円安で建機大手コマツが米国で販売を伸ばしたなどと批判したが、選挙勝利後に日本企業を名指しで批判するのは初めてだ。
トヨタは2015年4月、メキシコ中部のグアナファト州にカローラを生産する工場を約10億ドル(1160億円)かけて新設すると発表した。また16年9月には、メキシコ北部で米国境近くのバハ・カリフォルニア州のティフアナの工場を増強し、ピックアップトラックの生産を増やすと発表した。トランプ氏の発言は2工場を混同したとみられるが、いずれにしてもトヨタのメキシコでの生産増強を強く批判した形だ。
これに対しトヨタは「メキシコで新工場ができることによって、米国における生産台数や雇用が減ることはない」との声明を公表。米国内で219億ドル(約2兆5千億円)以上の直接投資をしており、10工場と1500の販売店、13万6千人の従業員を抱えていると説明し、「消費者と自動車産業にとっての最善の利益のためにトランプ政権と協力していくことを楽しみにしている」とした。トヨタ幹部は「米国からメキシコに工場を移すわけではなく、(批判された他の)米国企業と事情が違う。よく説明するのが先決だ」と語った。
6日の東京株式市場ではトヨタ…