米国の原子力事業で巨額の損失計上を見込む東芝が、米原発子会社ウェスチングハウス(WH)の株式を一部売却する検討をしていることが分かった。株式の保有割合を引き下げて将来のリスクを減らす狙いで、14日に発表する損失の再発防止策に盛り込む見通し。ただ、巨額損失の原因をつくったWHの株式に買い手がつくかは不透明だ。
特集:東芝の巨額損失問題
東芝は、WHの株式の87%を保有している。WHで再び損失が出た場合の負担を軽くするため、株式の保有割合を50%強まで引き下げる方向だ。
東芝はWHに投じた資金を回収するため、2006年の買収当時から関連先に株式の一部を売却する意向だった。今回、WHでの巨額損失見通しを受け、将来の損失リスクを減らすために売却に本腰を入れる。ただ、原発新設の費用は、東京電力福島第一原発の事故を受けた安全規制の強化で追加の設備が必要になって工期が延びるなどして世界的に高騰。原子力事業は逆風の経営環境が続いており、WH株の売却がすぐに実現するかは見通せない。
東芝の損失額は、現時点での精…