タイの航空会社による日本への新たな乗り入れを認めない措置について、国土交通省は３日、５月末までの期間限定で一部を緩めると明らかにした。これまで日本への就航の実績のある旅客機であれば増便を認める。安全性に配慮しつつも、日本への旅行客が増えるタイとの良好な関係維持を重視した姿が見て取れる。

国交省は、新たな定期便の就航やチャーター便の乗り入れ、すでに就航している路線での増便などを認めないと、３月下旬にタイ政府に伝えていた。そのうち既存路線での増便について、同じタイプの旅客機を使う条件で、検査を通じて安全性が確認できれば５月末までは認めることにした。

「重要かつ友好な２国間関係であり、またタイから観光客が増大していることを踏まえた」。太田昭宏国土交通相は３日の閣議後会見で、こう述べた。タイでは４月中旬に大型連休があり旅行シーズンとなる。混乱が生じて、日本向け旅行客の増勢や両国関係に水を差すリスクを極力抑えた格好だ。

ただ新規就航は引き続き認められない。国交省は、６月以降の対応について、安全確保を前提にタイ政府と引き続き協議するとしている。