大和証券グループ本社は3日、2016年3月期から始まる3カ年の中期経営計画を発表した。自己資本利益率(ROE)を10%以上に高めるのが柱。退職世代など幅広い年齢層のニーズに対応した金融商品の提供や、資産運用力の強化を通じて収益性を高める。これまでの効率化を狙ったコスト削減重視の経営から、国内外の成長を取り込む攻めの経営に軸足を移す。
株主配分の強化にも踏み切る。16年3月期から連結配当性向を40%程度と従来の30%程度よりも高める。内部留保を十分に確保できている局面では自社株買いも検討する。収益拡大が軌道に乗っていることを踏まえ、株主に報いた経営に一段とカジを切る。
大和のROEは昨年10~12月期が税効果会計の影響を除くと実質で10%弱だった。今後は中長期で成長が見込める海外事業にも力を入れ、ROEが安定的に10%を超える水準を目指す。