中国の全国人民代表大会(全人代)の代表団が8日、来日した。団長を務める吉炳軒・副委員長(副首相級)は民主党本部で岡田克也代表と会談し、中国が主導するアジアインフラ投資銀行(AIIB)について「周辺国からいい反応が得られた。このような発展の好機を逃すことはないと思う」と述べ、日本の参加を促した。
吉氏は安倍晋三首相の戦後70年談話を念頭に「第2次世界大戦に向き合うことが大事だ。敏感な年に日本が歴史についてどのようなメッセージを発するか注目している」と語った。岡田氏は「中国政府が日本政府に注文をつけることはいい結果につながらない」と指摘した。
9日以降、吉氏は自民党の谷垣禎一幹事長や公明党の山口那津男代表と会談するほか、衆参両院議長を表敬する。日本が沖縄県の尖閣諸島を国有化した2012年以来途絶えていた衆院と全人代の「日中議会交流委員会」も再開する。吉氏は岡田氏に「議会交流の再開は日中両国の関係を推し進めるのが目的だ」と述べた。