政府は東日本大震災の復興事業での被災地負担導入へ向け、地元との本格的な調整に乗り出した。11日には竹下亘復興相が岩手県を訪問、2016~20年度の予算編成に向け被災自治体と協議した。政府は6月末までに結論を出す方針だが、予算総額を巡っても国と被災地には温度差があり、双方の溝を埋めるのは容易でなさそうだ。
政府は16年度以降に一部の復興事業で被災自治体に費用負担を求める方針。竹下復興相は11日、岩手県釜石市で同県内13市町村と今後の復興事業のあり方を議論し、首長から予算確保を求める要望書を受け取った。復興相は会合終了後、5月の大型連休の前後に復興の進捗状況をまとめ、16年度以降の予算に反映させる考えを示した。
被災3県は今後さらに8兆円程度の予算が必要と主張するが、政府側は「復興と関係が薄い事業も含まれており過大な要求」(復興庁幹部)とみる。阪神大震災でも自治体が費用の一部を負担したが、被災地では「地元で負担できる状況ではない」と、政府に引き続き全額負担を求める声が強い。