河原秀登さん(左)とATSUSHIさん=3月11日、宮城県塩釜市、後藤洋平撮影
東日本大震災以降、被災地に物資を届けたり、炊き出しに参加したりする著名人が増えた。だが、たとえ有名な芸能人でも、準備やノウハウもなく突然現地を訪ねてできることは限られる。そんな「著名人の支援」を支援する人がいる。3月11日、宮城県塩釜市の炊き出しに同行した。
「久しぶり! いくつになった?」。JR塩釜駅前の生涯学習施設「ふれあいエスプ塩釜」の駐車場。福岡市を拠点にラーメン店を展開する河原秀登(ひでと)さん(50)は従業員や別のラーメン店主ら仲間5人とともに、用意した300食の豚骨ラーメンを次々に調理。列をなす人々に手渡しては、言葉を交わす。
結婚などの近況報告も多く、笑顔がはじける。若者にも年配の人にも「秀ちゃん!」と呼ばれ、「なんつうか、半分親戚みたいなもんだからさ」と照れ笑いした。
6年前の3月22日に宮城県気仙沼市の避難所に駆けつけて以降、宮城、福島、岩手の3県で35回以上、熊本では昨年4月から20回にわたって現地で炊き出しをした。最初は屋外で大鍋の湯を沸騰させるのに6時間かかったが、現在は仙台市内のラーメン店から強力なガスコンロを借りるなどして約2時間で準備が出来るようになった。
そんな河原さんが「俺たちみたいな普通の人間の何百倍も人を元気にする」と語るのが、著名な芸能人らによる被災地訪問や支援だ。昨年5月、熊本地震の被災地を女優の藤原紀香さんと訪れると、被災した人々は目を輝かせて、「来てくれてありがとう。生きていて良かった!」と口にした。そういう瞬間を見てきたから、彼ら彼女らの支援も続ける。
「人には立場によって、それぞ…