パナソニックは13日、事業別のブランド展開を始めると発表した。自動車関連は「パナソニックオートモーティブ」、住宅関連は「パナソニックホームズ&リビング」、企業向けシステム開発は「パナソニックビジネス」として広告宣伝や展示会などで使用する。現在は家電のイメージが強いが、今後成長を目指す住宅や自動車分野でもブランド戦略を明確にする。
新たに導入した事業ブランドは「パナソニック」の大きなロゴの下にオートモーティブなどの表記を小さく加える。企業としてのブランドは「パナソニック」を継続するが、広告媒体などは基本的に事業ブランドを使う。
同社はテレビなどに代わり、自動車や住宅分野が収益の柱に育ってきており、家電以外でもブランドイメージを打ち出す。家電などは従来通り「パナソニック」ブランドを使用する。
新たな事業ブランド活動を含めた15年度の広告宣伝費は、1100億円超を投じる。18年度までの戦略投資枠1兆円の活用も視野に入れている。
パナソニックは2008年に松下電器産業から社名を変更。三洋電機、パナソニック電工の買収以降、パナソニックにブランドを統一する戦略を進めてきた。ただ、昨年に高級オーディオ製品のブランド「テクニクス」を復活させており、「ワンパナソニック」路線からの転換を一段と加速する。