【NQNニューヨーク=神能淳志】13日のニューヨーク外国為替市場で円相場は小幅に続伸した。前週末比10銭の円高・ドル安の1ドル=120円10~20銭で取引を終えた。日銀による追加の金融緩和観測が後退したとの見方から円買い・ドル売りが優勢となった。一方で、主要通貨に対して強まるドル高基調を背景にした円売り・ドル買いが出て、相場の重荷となった。
朝方は円売り・ドル買いが先行した。米長期金利が上昇したことを受け、日米の金利差拡大を見込んだ円売り・ドル買いが広がったロンドン市場の流れを引き継いだ。年内の米利上げ観測を背景にしたドルの先高観が根強いことも、引き続き円相場の重荷となった。
もっとも、円相場は119円68銭まで強含む場面もあった。安倍晋三首相の経済ブレーンの浜田宏一内閣官房参与が13日、120円を超える円安・ドル高は行き過ぎだとの見方を示した。月末には日銀の金融政策決定会合も控えるとあって、追加緩和への過度の期待がやや後退。これまでの円売り・ドル買いの持ち高を減らす円買いが広がった。
米株式相場が取引終了にかけて下げ幅を広げ、米長期金利が低下に転じたことも円相場を支えた。
この日の円の安値は120円57銭だった。
円は対ユーロで5日続伸し、前週末比60銭の円高・ユーロ安の1ユーロ=126円90銭~127円ちょうどで終えた。ユーロが対ドルで大きく下げ、対円でもユーロ売りが優勢となった。対ドルでの円高が進んだ場面では円買い・ユーロ売りに拍車が掛かり、一時126円51銭と2013年6月18日以来およそ1年10カ月ぶりの円高・ユーロ安水準を付けた。
ユーロは対ドルで6日続落した。前週末比0.0035ドル安い1ユーロ=1.0565~75ドルで終えた。米金利が上昇した場面でユーロ売り・ドル買いが先行。一時1.0521ドルまでユーロ安・ドル高が進んだロンドン市場の流れを引き継いだ。もっとも、米金利の上昇一服を背景に、ニューヨーク市場では次第に持ち高調整を目的としたユーロの買い戻しも入った。
ニューヨーク市場でのユーロの安値は1.0541ドル、高値は1.0611ドルだった。