【シドニー=高橋香織】日立建機は17日、オーストラリア東部の試験場で開発中の自律走行ダンプトラック(AHS)を公開した。資源価格が低迷するなか、鉱山操業の効率改善につながるAHSの実用化を急ぎ、先行するコマツや米キャタピラーを追撃する。
開発の初期段階を終え、3台の無人走行トラックが完成した。コンピューターで運転を制御しながら一定の間隔で走行したり、土砂を積み下ろしたりする。今後、追い越しや衝突回避などの機能開発を進め、2017年度に資源会社と連携して鉱山に導入する予定だ。鉱山で先行導入した成果を踏まえて一般販売する。
豪現地法人のデビッド・ハーベイ社長は「鉱山の自動操業に向けた一歩だ」と述べた。資源各社は資源価格の低迷で設備投資を絞っているが、安全性や生産性の向上を見込める設備の自動化に対する需要は高まる公算が大きい。